ウェディング・マン レビュー

こんにちは、アセクシュアル書店員 白瀬誠です。

今回は、講談社から文庫版が発売された、ウェディング・マンをレビューしていこうと思います。

 

 

 ウェディング・マン

日野草

講談社

 

妻の浮気を疑い、尾行した立夏が目撃したのは、車のトランクから出した若い女をナイフで刺し、埋めようとする妻の姿。「家族」に追われ、逃げる妻が立夏に語った驚愕の「真実」とは。偽りと欺きの連鎖。この結婚も「嘘」になってしまうのか?

 

おすすめ度:80点

 

おすすめポイント

文庫本の方は特に、手にとっていただけばわかると思うのですが、

結婚の幸せを思わせる美しいカバーに、

青みがかったページは純白を思わせる色合い、

目次には綺麗なバラがあしらわれています。

新婚夫婦が紆余曲折を経て、幸せの形を模索する。

そんな物語を想像しました。

えぇ、最初は。

 

読み進めるうちに、その予想はいい意味で裏切られることになりました。

スタンガン片手に追いかけてくる義弟。

妻を助けた義妹は、義母にぶん殴られ。

なんだこのギャップは!?

と困惑している暇も与えてくれません。

何が真実で、何が偽りなのか、

後半へ進むにつれて、その混乱は増すばかり。

気づけば最後までページをめくり、

二の腕には、空も飛べそうなほどの鳥肌が。

 

あっという間に引き込まれる刺激がたまりませんでしたが、

現実味と、こじつけ感が少し気になったので80点。

 

あらすじ(ネタバレ気味)

菅沢立夏は、時計と古いおもちゃの修理を仕事にしている、

丁寧な口調が印象的な、この物語の主人公です。

カフェ兼ハーブショップで働いていた恵里香と結婚したばかりの新婚さんですが、

彼女が時折つく嘘について、悩みを抱えていました。

ある日、立夏はまたしても恵里香の嘘に気が付いてしまいます。

自分に嘘をついて、一体どこへ出かけているのか、

尾行の末に目撃したのは、縛られている若い女を刺し殺そうとする妻の姿でした。

立夏の登場に驚いた恵里香の隙をつき、逃げ出す女。

立夏と恵里香の逃亡が始まります。

 

恵里香がなぜ女を刺し殺そうとしていたのか、

その理由と、彼女の過去を聞いた立夏は、

「家族」から恵里香を自由にするために、

義母へ立ち向かいます。

 

このお話、次々と発覚する事実にこそ面白みがあるので、

私の駄文では、これ以上語ることができません。