そこに無い家に呼ばれる レビュー

こんにちは、アセクシュアル書店員白瀬誠です。

今回は、私が愛してやまない三津田信三氏の『そこに無い家に呼ばれる』を、レビューさせていただこうと思います。

 

 

そこに無い家に呼ばれる

三津田信三

中央公論新社

 蔵から発見されたのは、厳重に封印が施された三つの記録。それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇妙な内容でーー。三津田信三の最凶「幽霊屋敷」階段、最新作!

 

おすすめ度:90点

 

おすすめポイント

三津田信三ホラーの特徴は、ミステリとホラーの融合です。

私たちに必要不可欠な「家」の幽霊が、

どのような背景と動機を持って、居住者を脅かすのか、

その謎を解き明かそうと、本作に登場する「私」は奮闘します。

 

怪奇現象をまとめた三つの記録、

「あの家に呼ばれる 新社会人の報告」

「その家に入れない 自分宛ての私信」

「この家に囚われる 精神科医の記録」

と、ホラー小説作家の「私」と編集者の三間坂秋蔵が、

怪異の謎を解き明かそうとする、序章、幕間、終章からなる本作は、

前作『わざと忌み家を建てて棲む』

全前作『どこの家にも怖いものはいる』

と、少しだけ繋がっていたりします。

本作だけでも十分楽しめますが、上の2冊を読めば、

より恐怖を感じること間違いなしです。

 

障りが出るかもしれない、読書は自己責任で、

という謳い文句の本シリーズですが、

三間坂秋蔵が集めた記録にとどまらず、

幕間や終章でも、編集作業中に起きた障りがリアルに書きとどめてあるのが、恐怖ポイント高いです。

もしかしたら伝播して来た怪異が、

私の後ろで、ひっそり佇んでいるかもしれない。

そんな恐怖を感じるにはもってこいの本です。

 

ケチのつけようがない、最高のホラー小説ですが、

冒頭で「封印されていた記録」と太鼓判を押された割には、

前作、前々作以上の恐ろしさを感じられない点。

(三津田先生の作品では仕方のない部分ではありますが)

「この家に囚われる 精神科医の記録」

の冒頭、医学にまつわる文章が小難しく、

咀嚼に時間がかかった分を差し引いて、

90点かな、といったところです。

あらすじ(ネタバレ気味)

序章

河漢社の編集者である三間坂秋蔵が、

祖父の所有していた「魔物蔵」から発見した記録を、

小説家である「私」に共有するところから、この話は始まります。

記録は、箱の中に厳重に封印されていました。

お札や縄を使っての封印を解くことに不安を抱きながらも、

二人は記録を読み解き、怪異の謎に迫ろうとします。

 

「あの家に呼ばれる 新社会人の報告」

この記録の主人公は、名称の通り、

社会人になったばかりの男性です。

姉夫婦の都合により、新居へ越すこととなった主人公は、

すぐ隣にある空地に、違和感を覚えます。

ある夜、帰宅すると空地であったはずの場所には、

なんと家が建っているのでした。

そしてその晩を皮切りに、

無いはずの家が、自分を招き入れようとして…。

 

幕間(一)

一つ目の記録を読み、集まった三間坂と「私」。

お互いに、何かが減っている、

あるいは、何かが増えている、

という体験をしていることを共有します。

 

「その家に入れない 自分宛ての私信」

一つ目の記録とは打って変わって、

この話の主人公は、家に招かれない側の人間です。

入居したはずなのに、家がない。

そんな摩訶不思議な体験が、自分へ宛てた手紙として綴られます。

 

幕間(二)

共通点の少ない二つの記録。

三間坂と「私」は、どうにか「家」の謎を解こうとしますが…。

 

「この家に囚われる 精神科医の記録」

最後の記録は、

名称の通り精神科医が記した、ある患者の治療記録です。

「心宅療法」という分析を受けた、患者Rの様子が描かれます。

 

終章

三つの記録を読んだ、三間坂と「私」は、

推理の末に、この話を本にするべきかどうか、

お互いに一歩も譲らない話し合いをします。

「先生は何かに憑かれているのではありませんか」

アセクシュアルな書店員 白瀬誠とは

白瀬誠(Shirase Makoto)という生き物

 

 

はじめに

初めまして。

白瀬誠といいます。

この度、ブログ開設を決意しました。

まずは自己紹介からよろしくおねがいします。

 

基本プロフィール

名前:白瀬誠(Shirase Makoto)

職業:書店員

レベル:21

武器:ゴキジェット

防具:トレッキングシューズ

スキル:アセクシュアル

状態異常:鬱

 

職業:書店員

厳密には書店員ではないのですが、

書店員と名乗ることに差し支えないので、

皆さんには書店員として自己紹介します。

そこそこの大きさの書店で働いています白瀬誠は、

文芸書・新書・文庫本の棚を担当しています。

最初は女性雑誌担当になりかけたのですが、

女性雑誌にはあまり興味がなかったのと、

私が文芸を担当したいと強く主張したことが功をなし、

見事、文芸書・新書・文庫本の棚を獲得しました。

 

ここで、書店コソコソ噂話をお話ししますと、

書店(文芸・新書・文庫は特に)には、色とりどりのPOPが

「私をお買い」

と言わんばかりに設置されていますが、

POPを制作する書店員のほとんどは、その本読んでません(当社比)。

自分も、自作するPOPの1割は、読んだことのない本だったりします。

表紙を見せて並べられている「面」の状態の本というのは、

たいてい、新しく刷られた本や、話題に上がっている本です。

入れ替わりも激しいため、すべての本を読みPOPを描く、

というのはかなり難しかったりします。

え?言い訳するなって?

それでも9割は、読んだことのある本なんです。

勘弁してください。

 

武器:ゴキジェット

さて、24時間のうち3時間は

ゴキジェットプロ(黒)を右手に握りしめていると噂の白瀬誠ですが。

自分ゴキブリ大嫌いです。

ですが、ワンルームで一人暮らししている私のお隣さんは、

なんと、ゴミ部屋制作のプロ (おじさん)でありました。

私の、ゴキジェットプロ(黒)をもってしても、隣の部屋で繁殖されては敵いません。

かくして私は、黒いテカテカしたあいつ、

を二日に一遍は目撃する生活を強いられたのであります。

そんな生活をしていると、

「こんな場合はどうしたらいいの!?」

と、思わず頭を抱えたくなるような事案に直面することもあります。

しかし、どれだけネットの海を潜っても、

解決策は見当たりません。

みなさん、ゴキブリとは縁遠い(羨ましい)生活をしているようで。

あれ、私が住んでるここ、火星だった?

と宇宙猫になることもしばしば。

そんな私が、ゴキブリと対峙した時にどう行動したらいいのか、

これも是非、お話しできればと思います。

 

防具:トレッキングシューズ

一時期「トレッキングがしてえ」と、悶々としていた時期がありました。

と言っても、何日もかけて、時に命の危険に直面しながらながら、

山頂を目指すような「登山」ではなく、

サントリーのCM『水の山行ってきた 南アルプス

で、宇多田ヒカルさんがやっているような、

ラフな格好で、ファッション感覚で行うような、

「トレッキング」です。

じゃあ「ハイキング」とは何が違うの?

と聞かれますと、ハイキングは景色や自然を楽しむことを目的としていますが、

トレッキングは山を楽しむことに、重点を置いているというところでしょうか。

 

一旦話を戻して、

山が好きな私は、近くのショッピングモールに入っている好日山荘で、

2万円のトレッキングシューズを購入して、

トレッキングに精を出すようになりましたとさ。

めでたしめでたし。

とはならず、半年に一度トレッキングできればいい方で、

もっぱらトレッキングシューズは、

レインシューズへとその用途を変えてしまったのだそうな。

 

スキル:アセクシュアル

まず、詳しい分類などは省きますが、

アセクシュアルというのは、

他者に対して性欲と恋愛感情のどちらも抱かないセクシュアリティの人を指します。

セクシュアリティは曖昧な部分も多く、

同じセクシュアリティを持つ人でも、考え方や感じ方は人それぞれです。

白瀬誠はあくまで「アセクシュアルの中の一例」として捉えていただけると嬉しいです。

 

白瀬誠の性別は女です。

生物学的にも、自己認識上でも、女性です。

男性にも女性にも、性的欲求や恋愛感情を抱きません。

この事実に気がつくまで、相当悩みました。

友人同士で恋話をすれば、理解できない部分ばかりで困惑し、

男性とお付き合いしてみれば、相手との温度差に疲弊し、

人が性的、恋愛的好意を示してくれても、嫌悪感を感じてしまい…。

結局、LGBTについて調べていた折に

アセクシュアル」「ノンセクシュアル」という言葉に出会い、

自分のセクシュアリティを自覚するに至りました。

では、実際に白瀬はどんな恋愛的経験

(当時の白瀬は恋愛をしようと必死でしたから、恋愛的経験と呼ばせてください)

をしたのかは、また詳しくお話ししたいと思います。

 

さいごに

長々と、白瀬誠のプロフィールを書き連ねてきましたが、

一体何を発信するつもりなのかと言いますと、

ざっと下記のように考えています。

 

アセクシュアルな自分の恋愛的経験

・本のレビュー

 ・ゴキブリとの戦い方

・白瀬が集めた怖い話

・雑談

 

さて、最後までご覧いただきありがとうございました。

完全に自己満足で始めたブログですが、

少しでも興味を持っていただけたら幸いです。