『TikTokで話題!』は褒め言葉ではない

【WARNING】

 

一個人が日々の中で感じたことを、

思うがままに書いた記事です。

あなたの気分を害する可能性が、

多分にあります。

申し訳ありませんが、

私は責任を取ることができませんので、

人の意見を受け入れられない方は、

回れ右をお願いします。

  

【WARNING】

 

『桜のような僕の恋人』

集英社文庫

 

まずこの本は、

人の何倍もの速さで老いる難病にかかった女性が、

「老いる姿を見られたくない」

「先に逝きたくない」

と、恋人の男性と悩み、想い合う素敵な小説です。

 

 

この文庫本の帯の謳い文句

TikTokで話題沸騰!』

 

 

私の感想

「もったいない」

 

TikTokで話題沸騰!』

は、褒め言葉でしょうか?

読者が惹かれる謳い文句でしょうか?

 

私は違うと思います。

 

店舗にもよりますが、

書店の文庫コーナーを訪れるお客様は、

若くても20代。

ほとんどが30代以上の方で、

年齢層は高めです。

どれぐらいの方が、

TikTokを知っているでしょうか?

 

知っていたとして、TikTokの印象は、

良いものでしょうか?

 

 

私は、個人的にTikTokを利用していますが、

利用する前は、良い印象は持っていませんでした。

正直、今でも悪い印象の方が大きいです。

若気の至りで、個人情報を晒し、

バズるためなら、倫理観のない行動も。

 

TikTokで話題沸騰!』

私は、この文字だけで読む気が失せます。

 

実際にこの文庫本、

入荷してから3週間、

ほとんど在庫が減りませんでした。

 

見かねて、中身の紹介文をPOPにしてみれば、

これが、売れる売れる。

 だって中身は魅力的なんですもん。

 

出版社さん。

帯に「TikTok」の名前を出すのは、

ぜひやめてください。

その受験勉強、意味あるの?

【WARNING】

 

一個人が日々の中で感じたことを、

思うがままに書いた記事です。

あなたの気分を害する可能性が、

多分にあります。

申し訳ありませんが、

私は責任を取ることができませんので、

人の意見を受け入れられない方は、

回れ右をお願いします。

 

特にこの記事は、

受験を控えている方は見ないでください。

 

【WARNING】

 

先日、勤務中にこんな本を見つけました。

 

 

『大学受験対策用 地理データファイル 2020年度版』

 帝国書院

 

自分は、

今まで推薦とAOで進学を決めてきたので、

純粋に中身が気になりました。

 

開いて見たら、

小さな文字とグラフがびっしり。

 

ギョッとしました。

 

ジュートやバターなど、

生産量の多い順に国名が並んでいる...。 

 

これらの情報は、

「ねえアレクサ、

ジュート生産量1位の国はどこ?」

って呟けばすぐにわかりますよね。 

 ...覚える必要ありますか?

 

 

話は変わりますが、

 偏差値って、

「どれだけ努力できるか」

だと思うんです。

 

義務教育という、

誰もが通る道において、

課せられたことに対し、

どれだけ努力できたか、

を示す一つの数値。

 

 だから、就活で話題になる、

「学歴フィルター」も、

私は大いに意味があると思います。

これを言うと友人には、

「受験には運も必要だ」

と猛反発を食らうのですが。

採用担当からして、大学の名前は、

 どれだけ努力ができるか、

を示す立派な基準の一つだと思います。

 

私は、

ジュートの生産量が多い国の名前を覚えるだとか、

将来性を感じられないことに対して、

努力をすることが、苦手且つ嫌いなので、

推薦とAOを駆使しましたが。

 

つまり、受験制度に関しては賛成ですが、

その内容には疑問を覚えています。

 

 

しかし、

 

 

『教養としてのお金とアート 誰でもわかる「新たな価値の作り方」』

KADOKAWA

 

「教養があるかないかで、

関わりを持つことができる人間の質が変わる」

 

夏目漱石を読んだことはあるか、

鎌倉幕府の成立はいつか、

モネの睡蓮を知っているか。

 

ジュートの生産量第一位を知っていれば、

人生が豊かになる、

とまでは言いきれません。

 

ですが、小さな差が、

大きな差になる瞬間は、

いつ来るかわからないから、

心臓に悪いですね。

 

老人と海 レビュー

こんにちは、アセクシュアル書店員、白瀬誠です。

今回は、7月に新潮社から文庫が出版された、ヘミングウェイ老人と海をレビューさせていただきます。

 

 

 

老人と海

ヘミングウェイ(高見浩訳)

 

八十四日間の不漁に見舞われた老漁師は、自らを慕う少年に見送られ、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだがー。自然の脅威と峻厳さに翻弄されながらも、決して屈することのない人間の精神を円熟の筆で描き切る。著者にノーベル文学書をもたらした文学的到達点にして、永遠の傑作。

 

おすすめ度:100点

 

おすすめポイント

私が務めている書店では、

入荷して間も無く、店頭から姿を消したこの文庫。

(うち一冊は私が購入してます笑)

 

2020年7月1日、

新潮文庫から出版された『老人と海』は、

1952年に発表され、後にノーベル文学賞を受賞した作品です。

本のカバーや紙質は、どこか荒々しく年季を感じさせます。

どことなく、漁師の男らしい精神を表しているようです。

 

「漁師は老いていた」から始まる本作は、

年老いたとある漁師の、3日間にもわたる死闘が描かれます。

最も魅力的なのは、著者の経験に基づいた漁の描写です。

海なし県出身の私ですが、漁師の行動の全てを鮮明に思い描くことができ、

読書後にはまるで今まで漁師として生きて来たかのような、

海への懐かしさや恋しさを感じてしまいました。

 

老漁師は、

時に両の手のひらを擦り切り、

時に左手が引き攣り硬直し、

時に舳先に押し付けられながら、

命をすり減らしながら巨大カジキを仕留めようとします。

その姿からは、人間の命の小さく、しかし力強い輝きを感じることができます。

 

「あの子がいてくれたら」

漁師は、カジキとの死闘の中で、

幾度か仲の良い少年の存在を切望します。

それは少年も同様です。

老人を慕う少年は、老人の船に乗り共に漁へ出かけることを望みます。

特に物語の終盤、老人と少年の再開には、

涙が止まりませんでした。

人が人を想うことの美しさもまた、

この本から学ぶことができる要素の一つでしょう。

 

とても紹介しきれませんが、

こんなにも美しい文学は、生まれて初めて読んだ、

と、まだまだ短い人生しか生きていない白瀬は思うのでした。

 

あらすじ(ネタバレ)

この作品の素晴らしさは、文章の中にこそある、

と白瀬は思いますので、今回は遠慮なくネタバレします。

自衛はしっかりしてくださいね。

 

メキシコ湾流で漁をして生活している老人は、

八十四日間、一匹も魚が釣れずにいました。

老人の漁を手伝っていた少年の両親は、

少年に別の船に乗るように言います。

老人を慕う少年は、渋々他の船を手伝うようになるのですが、

それでも、毎朝老人を起こし、漁へ向かう姿を見送るのでした。

 

漁に出てしばらくして、老人は大物の気配を感じ取ります。

マグロのついた釣綱に食いつく巨大カジキ。

カジキはそのまま、綱を引っ張り老人を乗せた船ごと移動を始めてしまいます。

 

3日もかけてカジキを制した老人は、

体の不調を感じながらも、帰路を進みます。

しかし、船にくくりつけたカジキの亡骸を狙って、

次に現れたのは、サメでした。

 

カジキを喰われまいと抵抗する老人。

幾度となくやってくるサメの襲撃を迎え撃ちながら、

小さな港へ帰り着きます。

しかし、立派なカジキは、サメによってその大半を失われていたのでした。

 

帰って来た老人に気がつき涙する少年。

次は必ず老人の船に乗る、と約束してお話は終わります。

 

 

【白瀬怪談】着物の訪問者

これは私が伯母から聞いた話です。

 

その日伯母は、家で一人留守番をしていました。

当時小学生だった伯母は、今で宿題をしていました。

 

ピンポン

呼び鈴がなりました。

「留守番をしている間は、誰がきても出なくていい」と祖母からは言われていました。

引っ込み思案だった少女は、祖母の言葉もあり、呼び鈴には応じず、そのまま宿題を続けることにしました。

ピンポン

また呼び鈴がなりました。

「珍しい」そう思って宿題をしていた手を止めました。

今よりももっと、村意識が強かった時代。

家の鍵がかかっていないことはしょっちゅうでしたし、それを近所の人も知っていますから、呼び鈴を一度鳴らして家人が出なければ、遠慮なしに戸を開けて「〇〇さん」と呼びかけるのが普通でした。

それがどうでしょう。

祖母は確かに家を出るときは鍵をかけていきましたが、この訪問者は戸を開けるそぶりも、直接呼びかけてくる様子もありません、

家の中は静まり返っていました。

伯母は、訪問者を出迎えるつもりはありませんでしたが、一体誰が呼び鈴を鳴らしているのか気になりました。

 

当時伯母たちが住んでいた家は、横に広い平家の日本家屋で、玄関から西へ向かって横並びに昔ながらの縁側が続いていました。

縁側には一面にガラス戸が取り付けられており、そこから除けば玄関の前に誰が立っているのか確認することができます。

逆に、全ての面がガラス張りですから、向こうからも私の姿が見えることになりますが。

伯母は、訪問者からは見えないように、カーテンの陰からそっと覗くことにしました。

木造の床をきしませないように、よく注意してカーテンの陰にそっと潜り込みます。

今もそうですが、伯母は細くて小柄な女性なのでそれも簡単だったのでしょう。

ピンポン

ここで3回目の呼び鈴がなりました。

伯母は驚きのあまり尻餅をつきそうになりました。

すんでのところで踏みとどまりましたが、焦りのあまり全身から汗が噴き出してきます。

気づかれていませんように、としばらくじっとしていました。

しかし、訪問者の気配は玄関の前から動くことはありません。

伯母に気づいてはいないようです。

 

伯母はそっと顔を上げて、ゆっくり玄関に目を向けました。

視界に入ってきたのは、真っ黒な着物でした。

すらりと伸びた背筋に、結い上げた黒髪、手に赤茶色の風呂敷。

訪問者は若い女性のようでした。

なんだ、近所に住む人が土産を持参して挨拶にでもきたのでしょう。

若い女性なら、他所から嫁いできたばかりなのかもしれません。

それなら、戸を開けて入って来ないのも納得できます。

挨拶に来たのならなおさら、祖父か祖母がいなければなりません。

このまま家主の不在に気づいて帰ってもらおう、そう思って部屋に戻ろうとしました。

すると女性が、着物の袖から白い腕を覗かせて、ピンポンと、もう一度呼び鈴を鳴らしました。

これで、この女性が呼び鈴を鳴らしたのは4回目。

他所から来た人だったとしても、普通4回も呼び鈴を鳴らすものかしら。

伯母は女性に違和感を覚え、じっと目を凝らしました。

そしてそれに気づいた瞬間、先ほどかいた汗が急激に冷えていくのを感じました。

 

結局伯母は、訪問者に応じることはありませんでした。

呼び鈴は、8回ほど鳴らされた後にピタリと止みました。

伯母は、帰宅した祖母に昼間訪ねて来た女性について、伝えることはできませんでした。

あの女性のことを口にして、それが回り回ってあの訪問者の耳に入ったら、また訪ねてくる。

訪問者の存在に気づいていた伯母の元へと。

そんな気がしてならなかったのだそうです。

 

一体その訪問者のどこがおかしかったのか、ここまで話を聞いた私は伯母に尋ねました。

「着物を着た女性の足元っていうのは、白い足袋と草履っていうのが普通でしょう。でもその女性にはね、人間の足の代わりに、細く鋭い鳥の足みたいなのが付いてたのよ」

【白瀬怪談】小さな男の子

小学生の「私」が夢で見た、男の子のお話。

 

 

私が小学五年生の夏の出来事です。

暑い夏の日差しの中、小学校での授業を終えた私は、家へ向かって田舎道を一人歩いていました。

夕方だというのに、今にも陽炎が踊り出しそうな、そんな蒸し暑さでした。

 

私は両親と妹二人の五人家族でしたが、その日は両親ともに仕事に出ており、妹二人は自動センターに預けられていたため、私が帰った時には家には誰もいませんでした。

北向きにある玄関の、ひんやりとしたフローリングに迎えられ、私はランドセルを放ると靴を脱いでリビングへ向かいました。

 

リビングまでの廊下には途中、階段と、階段下の収納に面した(ひと一人通るのがやっとなほど)細い廊下があるのですが、私がそこを横切ったその時、薄暗い廊下の奥で何かがサッと動きました。

飼い猫が、廊下の奥で涼んでいる。

そう思った私は、廊下を覗き込みました。

しかし、窓のない、陽の射さない廊下の奥はよく見えません。

「たま、いるの?」

私は廊下へ一歩踏み出しました。

 

その時です。

闇の向こうから、私の膝丈ぐらいの大きさの男の子が飛び出してきました。

当時小学生だった私の膝と同じ身長の男の子なんて、そもそもありえません。

男の子は、私の足元まで走り寄ってくると、そのまま膝にしがみつきました。

男の子に驚いた私は、短く悲鳴をあげてその場に尻餅をつきました。

男の子は何も言わずに、私を見てニタニタ笑っています。

 

私は体育座りの姿勢で、男の子を振り払おうと、必死に足をばたつかせました。

すると、男の子はより一層(今度は妙に甲高い笑い声付きで)ケタケタと笑いながら、膝から上へと私の体を這い上ってきます。

学校帰りで疲れていた私は、体力の限界を感じて「もうだめだ」と思い足を止めようとしました。

 

そこで私は目を覚ましました。

私の体は汗びっしょり。

夢と体がリンクしていたと言いますか、寝ながら足をばたつかせていたらしく、踵が妙に痛かったのを覚えています。

随分と、リアルな夢でした。

 

 

ところで話は変わりますが、人間、他人の夢の話ほどつまらないものはないそうです。

だから私は、自分が見た夢の話は、できるだけ人にしないようにしています。

ではなぜこの話をしたのか、それはこの話がこれで終わりではないからです。

 

 

時は流れ数年後、私は中学生になりました。

冬休みの出来事です。

我が家はみんな揃って寒がりなので、家の中に4台こたつが用意してあります。

私はその日、リビングのこたつで暖を取っていました。

すると、別の部屋にいた妹(小学校高学年)が、号泣しながら私のいる部屋に飛び込んできました。

一体どうしたのか、しゃくりあげている背中を撫でながら尋ねると、妹はぽつぽつと話してくれました。

 

妹曰く、別の部屋でこたつにあたりながら映画を見ていたら、いつの間にか眠ってしまったのだそうです。

目が覚めた時には映画は終わっていて、テレビには砂嵐が吹き荒れていました。

すると、ふと左足をひっぱられました。

起きたばかりでボーッとしていた妹は、何の気なしにこたつの布団をめくりあげました。

そこには、自分の足にしがみついてケタケタ笑う小さな男の子がいたそうです。

 

先ほどお話しした通り、他人の夢ほどつまらないものはありません。

ですから、小学生の私が見た夢の話は、妹にはもちろん、誰にも話したことはありませんでした。

一体あの男の子は、何者だったのでしょうか。

アセクシュアルな私の恋愛的経歴

こんにちは、アセクシュアル書店員の白瀬誠です。

今回は、私の恋愛的経歴をご紹介したいと思います。

 

 

アセクシュアルとは

アセクシュアルとは、

男性、女性、LGBT、どの性別の人にも、

恋愛的・性的に惹かれないセクシュアリティの人を指します。

ここで誤解しないでほしいのは、

同じセクシュアリティに分類される人でも、

考え方や価値観は異なるということです。

当たり前のことですが、とても大事なことです。

白瀬誠は、あくまでもアセクシュアルの中の一例、

ということを、どうか忘れないでください。

よろしくお願いします。

 

話を戻しまして、

アセクシュアルなのに恋愛的経歴?

矛盾してない?

と思ったあなた。

そうです。矛盾してます。

実は、私が自分の性について自覚したのは、

20歳を過ぎてからです。

それまでは、私も世間の大多数の人たちと同じように、

異性に恋をして、結婚をするんだと思っていました。

しかし、付き合えども付き合えども長続きしない。

友人と恋バナしていても、首を傾げてしまうことがしばしば。

この記事は「恋愛をしようとしていた」私の経歴です。

それをご理解いただいた上で、どうぞ、お楽しみください。

 

恋愛的経歴

詳しいことはまた別の記事で掘り下げるとして、

今回はざっと、私の中で印象に残っている事をご紹介したいと思います。

 

初めての彼氏 Mくん

Mくんとは、高校2年生の冬に、

同じ高校の執行部として出会いました。

執行部といっても、私はチョイ役でしたが、

Mくんは生徒会長で、

身長が高くて、モンストが好きな、真面目くんでした。

誠実で、表情豊かなMくんを見ているうちに、

「好きだなあ」

と思うようになり、高校3年生の夏の終わりに

私から告白しました。

 

「あれ、なんか違う」

そう思ったのは大学に入学し、

遠距離恋愛になってからです。

結局そのあとは長続きせずに、

大学1年生の6月に、お別れすることになりました。

 

二人目の彼氏 Tくん

Tくんは、同じ大学の同じ学部学科に通う、

ちょっとチャラめな箱入りくんです。

大学1年の6月(Mくんと別れるのと同時期)あたりから、

アプローチを受けるようになり、

7月の終わり頃から付き合うようになりました。

しかし、価値観の違いに私が疲弊してしまい、

付き合ってから3ヶ月の10月の終わりに、

お別れしました。

 

レズビアンの Sちゃん

Tくんと付き合っている間に、

つまりは大学1年生の夏休みに出会ったのが、

レズビアンのSちゃんです。

私の通う大学に遊びに来ていた、

別大のSちゃんとたまたま知り合い、

よく遊びにいく仲になりました。

ボーイッシュで爽やかな見た目のSちゃんは、

ぱっと見男性か、女性か判断が難しいところもあり、

一緒にいるとカップルに間違えられることもありました。

事件が起きたのは地元の夏祭りの夜です。

夏祭りに遊びに来ていたSちゃんは、

終電を逃してしまいます。

一人暮らしをしていた私は、

Sちゃんに、家に泊まるように提案し、

そのままパクっと、いただかれる寸前までいきました。

 

友人以上 Rくん

Tくんのこともあり、

「しばらく彼氏はいらないわ」

と思っていた時に仲良くなったのがRくんです。

小柄で可愛いRくんは、男女問わず人気がありました。

そんな彼と、遊びに行ったり、飲みに行ったりしているうちに、

高校時代に付き合っていたMくんの事を思い出し、

私は本当にRくんが好きなのか、1年以上悩みました。

その葛藤の末に、ある本と出会って、

私はアセクシュアルである、という結論に至りました。

現在、Rくんにはカミングアウトをして、

一友達として、仲良くしています。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

上記のエピソードや、

私の心情の変化は、また違う記事で詳しく紹介したいと思います。

 

アセクシュアルを自称してるくせに、

恋愛感情あるんじゃん、

と誤解させてしまったかもしれません。

その感想は、間違っていないです。

「どうして私は、みんなと同じように恋愛ができないんだろう」

「私も、恋人を作らなくちゃ、恋愛しなくちゃ」

という焦りや不安から、

必死になっていた時期がありましたから。

 

でもその分、今はホッとしています。

「誰かを無理に好きにならなくていいんだ」

「恋愛的好意や、性的欲求を他者に抱けなくてもいいんだ」

と考えられるようになったことが、

何よりも救いでした。

まあ、逆にアセクシュアルを自覚したからこその悩み、

というのも多分にあるのですが、

ここでお話ししていてはキリがないので、

また別の機会に。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたら、幸いです。

ウェディング・マン レビュー

こんにちは、アセクシュアル書店員 白瀬誠です。

今回は、講談社から文庫版が発売された、ウェディング・マンをレビューしていこうと思います。

 

 

 ウェディング・マン

日野草

講談社

 

妻の浮気を疑い、尾行した立夏が目撃したのは、車のトランクから出した若い女をナイフで刺し、埋めようとする妻の姿。「家族」に追われ、逃げる妻が立夏に語った驚愕の「真実」とは。偽りと欺きの連鎖。この結婚も「嘘」になってしまうのか?

 

おすすめ度:80点

 

おすすめポイント

文庫本の方は特に、手にとっていただけばわかると思うのですが、

結婚の幸せを思わせる美しいカバーに、

青みがかったページは純白を思わせる色合い、

目次には綺麗なバラがあしらわれています。

新婚夫婦が紆余曲折を経て、幸せの形を模索する。

そんな物語を想像しました。

えぇ、最初は。

 

読み進めるうちに、その予想はいい意味で裏切られることになりました。

スタンガン片手に追いかけてくる義弟。

妻を助けた義妹は、義母にぶん殴られ。

なんだこのギャップは!?

と困惑している暇も与えてくれません。

何が真実で、何が偽りなのか、

後半へ進むにつれて、その混乱は増すばかり。

気づけば最後までページをめくり、

二の腕には、空も飛べそうなほどの鳥肌が。

 

あっという間に引き込まれる刺激がたまりませんでしたが、

現実味と、こじつけ感が少し気になったので80点。

 

あらすじ(ネタバレ気味)

菅沢立夏は、時計と古いおもちゃの修理を仕事にしている、

丁寧な口調が印象的な、この物語の主人公です。

カフェ兼ハーブショップで働いていた恵里香と結婚したばかりの新婚さんですが、

彼女が時折つく嘘について、悩みを抱えていました。

ある日、立夏はまたしても恵里香の嘘に気が付いてしまいます。

自分に嘘をついて、一体どこへ出かけているのか、

尾行の末に目撃したのは、縛られている若い女を刺し殺そうとする妻の姿でした。

立夏の登場に驚いた恵里香の隙をつき、逃げ出す女。

立夏と恵里香の逃亡が始まります。

 

恵里香がなぜ女を刺し殺そうとしていたのか、

その理由と、彼女の過去を聞いた立夏は、

「家族」から恵里香を自由にするために、

義母へ立ち向かいます。

 

このお話、次々と発覚する事実にこそ面白みがあるので、

私の駄文では、これ以上語ることができません。